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ギンイロノウタ

秋の読書大会

村田沙耶香さんのギンイロノウタ


読書メーターへ書いた感想になってしまうのですが、

このまま読み進めても大丈夫なのだろうかという気持ちと、主人公の行く末が気になってページを捲る指が止まらなかった物語。

短編2編が収録された本。

ひかりのあしおとは、母親である愛菜ちゃんが

ギンイロノウタでは父親が、主人公、家族を支配しているような、全ての根源・中心のような

とにかくひんやりとした家庭、親それぞれが自分のことで精一杯の感じは。ひんやり?子どもへの興味は。悲しい?そこから主人公の、冷静で客観的な諦めが繋がっているのかな。


村田さんの作品はいくつか読みましたが、

今回は全体的に強い作品、

主人公の衝動や攻撃的な部分が際立っていたように感じました。

物語にもしもを考えることは無意味なことかもしれませんが、安らぎの場所がすこしでもあったなら、

主人公がここまで狂気の淵まで追い詰められることはなかったのかな、とも思いましたが

村田さんの作品は毎回、普通とは何か、異常とは何か、その根本を考えさせられます。

主人公は至極真っ当に生きており、狂気を狂気と感じられないところに妙な純粋さがあるのかな、とも思います。幼いゆえの純粋さ?正直な感じ?があるのか環境が大きいのかもしれませんが

歪みを真っ直ぐに感じられる環境、

自分自身を守るための歪みによって、主人公の目には自身が真っ直ぐに見えている景色のような


まだまだ読みたい村田さんの作品が色々あります。

元気な時しか読めませんが…!

だからこそ毎日元気でいたいですね


ではではまた近々!